第116回医師国家試験 A59(2022年)
正答:c
問題
8歳の女児。著しい瘙痒を伴う皮疹を主訴に来院した。背部の所見(別冊No.20)を別に示す。同様の皮疹が背部以外にも顔面、腹部、肘窩、膝窩など全身に認められる。白血球8,600(好酸球12 %)。IgE 2,800 IU/mL(基準250以下)。抗原特異的IgEはハウスダスト、スギ花粉等吸入性抗原に強陽性を示すが、食物抗原は陰性であった。
注意すべき合併症はどれか。
a.気胸
b.貧血
c.白内障
d.円錐角膜
e.アナフィラキシー

正答の理由
強い瘙痒、乾燥した広範な湿疹、屈曲部病変、好酸球・IgE増加からアトピー性皮膚炎です。公式正答は白内障で、顔面・眼周囲の皮膚炎に伴う眼合併症への注意が必要です。ただし円錐角膜も実際に知られた合併症であり、dが医学的に無関係という意味ではありません。
画像の見方
背部全体に皮膚の乾燥・細かい落屑と多数の紅斑、掻破によるびらんを認めます。屈曲部にも分布する瘙痒性湿疹という本文所見と合わせてアトピー性皮膚炎を考えます。
各選択肢の検討
a.本症の代表的な合併症として本問では選びません。
b.重症の炎症などに伴うことはありますが、提示例で優先する特有の合併症ではありません。
c.公式正答。アトピー性皮膚炎では白内障に注意し、眼科的評価につなげます。
d.日本皮膚科学会のガイドラインでも眼合併症として挙げられます。本問の公式正答はcですが、円錐角膜を合併しないと覚えないよう注意します。
e.食物アレルギーなどを合併する場合は起こり得ますが、IgE高値や吸入抗原の感作だけでアナフィラキシーの高リスクと判断しません。
覚えるポイント
アトピー性皮膚炎の眼合併症には白内障・網膜剥離・円錐角膜などがある。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。