第115回医師国家試験 E35(2021年)
正答:b
問題
38歳の男性。職場で床に落ちた書類を拾おうと屈んだところ、腰痛と右下腿痛が出現したため受診した。既往歴に特記すべきことはない。身長165 cm、体重58 kg。体温36.7 ℃。脈拍80/分、整。腰椎エックス線写真で異常を認めず、腰部単純MRIで第4腰椎と第5腰椎間の右側に椎間板ヘルニアを認めた。
この患者で認められないのはどれか。
a.疼痛性跛行
b.会陰部の異常感覚
c.右下腿外側の感覚鈍麻
d.右母趾背屈筋力の低下
e.右下肢伸展挙上テスト陽性
正答の理由
L4/5の片側性椎間板ヘルニアは通常L5神経根を障害し、下腿外側から足背の感覚障害や母趾背屈の筋力低下を来します。会陰部の感覚異常は仙髄領域の障害を示し、この片側L5神経根症の典型ではありません。ただし大きな正中ヘルニアで馬尾症候群を来すことはあり、会陰部異常や排尿障害が出たら緊急評価が必要です。
各選択肢の検討
a.痛みのために歩行が制限されることがあります。
b.正答です。会陰部感覚障害は単独L5神経根障害では説明しにくい所見です。
c.L5神経根障害で見られます。
d.長母趾伸筋の筋力低下を来すことがあります。
e.神経根の伸張で下肢痛が誘発されます。
覚えるポイント
片側L5神経根症と、会陰・膀胱直腸障害を伴う馬尾症候群を区別する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。