鼻副鼻腔腫瘤の組織診断|第115回医師国家試験D20

第115回医師国家試験 D20(2021年)

正答:e

問題

83歳の男性。3か月前からの左顔面痛を主訴に来院した。痛みが強い時には夜も眠れないという。顔面の発赤、腫脹はない。他の神経症状を認めない。鼻腔と咽頭の内視鏡像(別冊No. 3A)及び副鼻腔CT(別冊No. 3B)を別に示す。

まず行う対応として適切なのはどれか。

a.FDG-PET

b.広域抗菌薬の点滴静注

c.頭蓋底手術

d.頭部MRA

e.鼻腔内生検

鼻腔と上咽頭に突出する腫瘤の内視鏡像
鼻腔・上咽頭内視鏡像(A) / 出典:厚生労働省・第115回D別冊(原本の該当ページ)
左鼻腔から上咽頭にかけての軟部組織病変と副鼻腔陰影を示すCT
副鼻腔CT(B:水平断像・冠状断像) / 出典:厚生労働省・第115回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

持続する片側顔面痛に加え、鼻腔から上咽頭に突出する腫瘤があり、鼻副鼻腔腫瘍を疑います。まず観察できる鼻腔内病変を生検し、病理組織診断を得ます。病理型により治療が大きく異なるため、画像だけで癌の組織型や頭蓋底手術の適応を確定しません。

画像の見方

内視鏡では鼻腔内と上咽頭に丸く突出する腫瘤を認めます。CTでは左鼻腔を占める軟部組織病変が上咽頭へ続き、内部の高吸収部と左副鼻腔の陰影を伴います。形態だけで病理型を断定せず、観察できる病変から組織診断を得ることが重要です。

各選択肢の検討

a.病期や転移評価に用いる場合がありますが、病変の組織診断に先んじた第一選択ではありません。

b.明らかな急性感染を示す所見に乏しく、腫瘤の診断を抗菌薬だけで置き換えません。

c.確定診断と進展範囲評価を経て検討する治療で、この段階で決めません。

d.脳血管病変を第一に疑う所見ではありません。

e.正しい。到達可能な鼻腔内腫瘤から組織を採取し、診断を確定します。

覚えるポイント

鼻副鼻腔の腫瘤は画像による範囲評価と生検による病理診断を組み合わせる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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