第115回医師国家試験 C40(2021年)
正答:e
問題
旅客機が着陸に失敗し、機体が大破した。空港の救急車・消防車の他に、周辺の消防署に応援が要請された。救命救急センターに患者を搬送するため、ドクターヘリも現場に向かっており、まもなく到着する予定である。
ドクターヘリで搬送する場合、優先すべき患者はどれか。
a.下肢挫創はあるが、自力で歩行できる。
b.頭部が挫滅しており、呼吸も脈もない。
c.胸部に打撲傷があり、呼吸状態は安定している。
d.興奮状態だが、簡単な指示に従うことができる。
e.腹部に挫創があり、意識レベルがJCSⅢ-100である。
正答の理由
多数傷病者が発生し搬送資源が限られる場面です。腹部外傷に加えてJCSⅢ-100という重度の意識障害がある患者は、出血性ショックなど生命に関わる病態を疑い、迅速な救命処置と搬送を優先します。頭部挫滅で呼吸・脈がない患者を最優先にするのではなく、救命の可能性と緊急性を踏まえて資源を配分します。
各選択肢の検討
a.自力歩行できることは初期トリアージで軽症を振り分ける所見です。
b.頭部挫滅で呼吸・脈拍がない患者は、本場面でヘリ搬送を最優先する対象ではありません。
c.現時点で呼吸が安定しており、重度意識障害のあるeに優先する根拠がありません。継続的な再評価は必要です。
d.指示に従えることは重要な評価所見ですが、これだけで正式な区分を確定せず、呼吸・循環も確認します。
e.正しい。腹部外傷と重度意識障害の組合せから、直ちに救命処置・搬送が必要です。
覚えるポイント
災害トリアージでは呼吸・循環・意識で緊急度を評価し、繰り返し再判定する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。