第115回医師国家試験 C12(2021年)
正答:a
問題
肝臓の代謝で正しいのはどれか。
a.アラニンは糖新生に利用される。
b.胆汁酸は中性脂肪から合成される。
c.非代償性肝硬変では芳香族アミノ酸が低下する。
d.アンモニアはTCAサイクルで尿素に変換される。
e.非抱合型ビリルビンはグルクロン酸抱合を受け脂溶性になる。
正答の理由
筋などから肝臓へ運ばれたアラニンは、アミノ基転移でピルビン酸となり、糖新生に利用されます。これはグルコース・アラニン回路の一部です。アミノ基に由来する窒素の処理と、炭素骨格からの糖新生を分けて理解します。アンモニアから尿素を作るのは尿素回路であり、TCA回路そのものではありません。
各選択肢の検討
a.正しい。アラニンの炭素骨格はピルビン酸を経てグルコースの合成に使われます。
b.胆汁酸の主な合成原料はコレステロールです。中性脂肪から直接合成されるという説明は不適切です。
c.肝の代謝能低下により芳香族アミノ酸は増加し、分岐鎖アミノ酸との比(Fischer比)は低下する傾向があります。
d.アンモニアは主に尿素回路で尿素に変換されます。TCA回路とは関連しますが同じ回路ではありません。
e.グルクロン酸抱合により水溶性が高まります。脂溶性になるのではありません。
覚えるポイント
アラニン→ピルビン酸→糖新生。アンモニアは尿素回路、ビリルビンは抱合で水溶性へ。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第115回医師国家試験問題および正答
- 国立病院機構西別府病院:栄養・代謝の教育資料(アラニンからの糖新生)
- 胆汁酸研究会・後藤順一:コレステロールからの胆汁酸生合成
- 厚労科研小児肝胆膵疾患研究班:ビリルビン抱合と水溶性
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。