第115回医師国家試験 B40(2021年)
正答:d
問題
20歳の女性。四肢の皮疹を主訴に来院した。2週前に手掌に皮疹が出現し、その後下肢に皮疹が広がったため受診した。発熱や盗汗、腹痛や体重減少はない。既往歴として2年前のクラミジアによる骨盤腹膜炎がある。意識は清明。バイタルサインに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両側頸部、腋窩および鼠径部にリンパ節腫脹を認める。手掌と足底の皮疹の写真(別冊No.7)を別に示す。血清RPRは陽性である。
病原体はどれか。
a.Haemophilus ducreyi
b.Staphylococcus aureus
c.Streptococcus agalactiae
d.Treponema pallidum
e.Vibrio cholerae

正答の理由
手掌・足底の多発皮疹、全身性リンパ節腫脹とRPR陽性から第2期梅毒を考え、病原体はTreponema pallidumです。RPRは非トレポネーマ検査で偽陽性もあるため、実診療ではトレポネーマ特異検査等を合わせて診断します。
画像の見方
両側手掌・足底に多発する赤褐色の斑状ないし丘疹状皮疹を認め、第2期梅毒の皮膚所見に合致します。
各選択肢の検討
a.軟性下疳の原因菌です。
b.黄色ブドウ球菌であり、今回の臨床像とRPRを説明しません。
c.B群レンサ球菌で、新生児感染症等の原因です。
d.正しい。梅毒の原因となるスピロヘータです。
e.コレラの原因菌です。
覚えるポイント
手掌・足底の梅毒疹を見逃さず、RPRと特異検査を組み合わせる。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。