第115回医師国家試験 B29(2021年)
正答:d
問題
60歳の男性。突然起こった激しい後頭部痛、悪心および嘔吐を主訴に来院した。症状出現後、後頭部痛は少しやわらいだが、市販の鎮痛薬を服薬しても継続したため受診した。来院時、意識は清明で項部硬直は認めなかった。頭部CT(別冊No.3)を別に示す。
診断として最も考えられるのはどれか。
a.髄膜炎
b.片頭痛
c.脳幹出血
d.くも膜下出血
e.急性硬膜下血腫

正答の理由
突然発症した激しい頭痛、悪心・嘔吐に加え、CTで脳底部のくも膜下腔に出血を示す高吸収域を認め、くも膜下出血が最も考えられます。意識清明で項部硬直がなくても除外できません。疼痛が少し軽快したことも安全な頭痛と判断する根拠にはなりません。
画像の見方
左の断面では脳幹前方のくも膜下腔に高吸収域があり、右の断面でも脳底槽、特に中脳周囲に高吸収域がみられます。脳幹実質内の血腫や大脳表面の三日月状血腫ではなく、脳槽内の血液を示唆する分布です。突然発症した激しい頭痛と合わせてくも膜下出血を考えます。出血源の動脈瘤の有無・部位は、この単純CTだけでは確定できません。
各選択肢の検討
a.髄膜刺激症状などを生じますが、本画像の脳槽内高吸収と突然の発症は出血を支持します。
b.反復する既往などを確認しますが、初発の突然の激痛を片頭痛と決めつけません。
c.脳幹実質内の血腫が主体となる画像とは分布が異なります。
d.正しい。突然の激しい頭痛と脳槽内の出血所見が一致します。
e.典型的には頭蓋骨内面に沿う三日月状の血腫を認めます。
覚えるポイント
雷鳴頭痛は意識や項部硬直の有無だけでくも膜下出血を除外しない。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。