意識障害・低体温・徐脈の重症甲状腺機能低下症ではCKと総コレステロール高値|第115回医師国家試験A74

第115回医師国家試験 A74(2021年)

正答:a・e

問題

85歳の女性。3週前から全身倦怠感の訴えがあった。トイレの中で倒れて肩で息をしているところを家族に発見され救急搬送された。意識は混濁。体温35.1℃。心拍数44/分。血圧80/40 mmHg。呼吸数12/分。SpO2 78 %(マスク5 L/分酸素投与下)。顔面は浮腫状で眉毛は薄く、皮膚は乾燥している。前頸部の腫大と下腿浮腫を認めた。胸部エックス線写真(別冊No.27)を別に示す。血液検査では、TSH 160.5 μU/mL(基準0.2〜4.0)、FT4 0.04 ng/dL(基準0.8〜2.2)。

この患者で高値を認めるのはどれか。2つ選べ。

a.CK

b.血糖

c.ナトリウム

d.カルシトニン

e.総コレステロール

心陰影拡大と下肺野の陰影、左肋骨横隔膜角の鈍化を認める胸部写真。
胸部エックス線写真(別冊No.27) / 出典:厚生労働省・第115回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

TSH著増とFT4著減から原発性甲状腺機能低下症です。意識障害、低体温、徐脈、低血圧、呼吸不全を伴い、粘液水腫性昏睡として緊急対応すべき病像です。甲状腺機能低下に伴う筋障害でCKが上がり、脂質代謝・LDLクリアランス低下で総コレステロールも上昇し得ます。低Na血症や低血糖を伴う方向が典型で、高値を特徴とはしません。

画像の見方

心陰影が拡大し、両下肺野に陰影を認め、とくに右下肺野には斑状の浸潤性陰影がみられます。左肋骨横隔膜角の鈍化もあり、胸水等を考えます。肺炎等の合併・誘因も評価しますが、単純写真だけで原因を確定せず、心嚢液貯留の有無は心エコーで確認します。

各選択肢の検討

a.正しい。甲状腺機能低下性ミオパチーで上昇し得ます。

b.重症例では低血糖を来すことがあり、高血糖は代表的特徴ではありません。

c.自由水排泄低下等により低Na血症を来し得ます。

d.甲状腺C細胞由来のホルモンで、甲状腺ホルモン不足を反映して上昇する指標ではありません。

e.正しい。LDLの代謝・クリアランス低下等により上昇します。

覚えるポイント

重症甲状腺機能低下症は徐脈・低体温・意識障害。CKとコレステロールは高値、Na・血糖は低下し得る。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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