喀痰の角化を伴う異型細胞から扁平上皮癌の原発部位を考える|第115回医師国家試験A71

第115回医師国家試験 A71(2021年)

正答:a・c

問題

67歳の男性。血痰を主訴に来院した。2か月前から血痰、1か月前から嗄声を自覚するようになった。喫煙歴は20本/日を45年間で、2年前から禁煙している。身長164 cm、体重52 kg。血圧112/84 mmHg。呼吸数20/分。血液所見:赤血球420万、Hb 14.8 g/dL、Ht 40 %、白血球6,800、血小板26万。喀痰細胞診のPapanicolaou染色標本(別冊No.25)に示すような細胞を認めた。

考えられる疾患はどれか。2つ選べ。

a.肺癌

b.咽頭炎

c.喉頭癌

d.気管支炎

e.唾液腺癌

オレンジ好性の厚い細胞質と、不整で濃染する大きな核を持つ異型細胞。
喀痰Papanicolaou染色(別冊No.25) / 出典:厚生労働省・第115回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

オレンジ色に染まる厚い細胞質と、腫大・濃染した不整な核を持つ細胞から角化型の扁平上皮癌を考えます。喀痰に腫瘍細胞が出る原発部位として肺癌と喉頭癌が候補です。血痰・嗄声と喫煙歴も整合します。ただし細胞像だけで肺か喉頭かを決められないため、胸部画像と喉頭の観察等で原発部位を確認します。

画像の見方

炎症細胞を背景に、オレンジ好性の細胞質を持つ大型細胞がみられます。核は大きく濃染し輪郭も不整で、角化を伴う扁平上皮癌細胞に合致します。

各選択肢の検討

a.正しい。気道に面する肺扁平上皮癌では喀痰に癌細胞が出現し得ます。

b.炎症だけでは提示された角化性悪性細胞を説明できません。

c.正しい。喉頭の扁平上皮癌でも喀痰に細胞が混入し、嗄声も生じます。

d.血痰を来すことはありますが、悪性の異型細胞を伴う説明にはなりません。

e.唾液腺癌には多様な組織型がありますが、本例の血痰・嗄声と角化型細胞から優先する原発部位ではありません。

覚えるポイント

喀痰中の角化性悪性細胞は肺だけでなく喉頭由来も考える。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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