第115回医師国家試験 A68(2021年)
正答:a・d
問題
55歳の女性。健康診断で胸部異常陰影を指摘され精査目的で来院した。2か月ほど前から物が二重に見えることを自覚していた。眼瞼下垂を認める。血中抗アセチルコリン受容体抗体が陽性であった。胸部造影CT(別冊No.22)を別に示す。
この患者で検索すべき合併症はどれか。2つ選べ。
a.赤芽球癆
b.Cushing症候群
c.カルチノイド症候群
d.低ガンマグロブリン血症
e.ADH不適合分泌症候群〈SIADH〉

正答の理由
抗ACh受容体抗体陽性の眼瞼下垂・複視は重症筋無力症に合致し、前縦隔腫瘤から胸腺腫を考えます。胸腺腫には赤芽球癆や低ガンマグロブリン血症〈Good症候群〉が合併するため、血算・網赤血球や免疫グロブリン等を確認します。Cushing症候群やカルチノイド症候群を来す胸腺神経内分泌腫瘍とは区別します。
画像の見方
前縦隔の右側優位に大きな軟部腫瘤を認めます。重症筋無力症の臨床所見と組み合わせ、胸腺腫を最優先に考えます。
各選択肢の検討
a.正しい。赤血球系の造血低下による貧血を合併し得ます。
b.異所性ACTH産生を伴う胸腺神経内分泌腫瘍等で問題となり、本例の胸腺腫で優先する組合せではありません。
c.神経内分泌腫瘍によるセロトニン等の作用が中心で、本例の代表的合併症ではありません。
d.正しい。胸腺腫に伴う免疫不全として検索します。
e.肺小細胞癌等で重要ですが、胸腺腫に特徴的なこの組合せではありません。
覚えるポイント
胸腺腫の三つ組として重症筋無力症・赤芽球癆・低γグロブリン血症を押さえる。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。