第115回医師国家試験 A50(2021年)
正答:e
問題
48歳の女性。胸やけを主訴に来院した。3か月前から胸やけが出現し、食事に気を付け経過をみていたが改善しないため受診した。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。半年前に勤務異動があり仕事が忙しくなった。
意識は清明。脈拍68/分、整。血圧112/70 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。上部消化管内視鏡像(別冊No.15)を別に示す。
考えられるのはどれか。
a.Barrett食道
b.逆流性食道炎
c.好酸球性食道炎
d.食道アカラシア
e.非びらん性胃食道逆流症〈NERD〉

正答の理由
胸やけという逆流症状があり、提示された内視鏡で明らかなびらん・粘膜傷害を認めないため、選択肢では非びらん性胃食道逆流症〈NERD〉が適切です。内視鏡正常でもGERDは否定できません。ただし胸やけと正常内視鏡だけで異常酸曝露を証明できるわけではなく、難治例では食道pH・インピーダンス検査等で逆流過敏や機能性胸やけと区別します。
画像の見方
接合部付近に明らかな粘膜欠損や白苔を伴うびらんは見えません。症状があっても内視鏡的傷害を欠くNERDを考えます。
各選択肢の検討
a.食道の円柱上皮化生を示す明確な所見は提示されていません。
b.粘膜傷害を伴う逆流性食道炎としてのびらんが認められません。
c.嚥下障害・食物つかえ等が重要で、生検による評価が必要です。本例を最も説明する選択肢ではありません。
d.食道排出障害に伴う嚥下障害や食道拡張が中心で、今回の画像・経過とは合いません。
e.正しい。内視鏡的粘膜傷害を欠く逆流症状の病態です。
覚えるポイント
胸やけがあっても内視鏡でびらんがない場合がある。難治なら逆流を客観的に評価する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。