抗精神病薬長期使用後の口舌の不随意運動は遅発性ジスキネジア|第115回医師国家試験A23

第115回医師国家試験 A23(2021年)

正答:a

問題

35歳の男性。テレビを見ている時に口をもぐもぐと動かす、舌を突き出すなどの動きがみられることを、家族に指摘されたと訴えて来院した。約6か月前からその動きがみられるという。30歳ころ、幻覚妄想状態を呈して抗精神病薬を投与され、以後、服薬を継続中である。

この動きについて正しいのはどれか。

a.睡眠中は消失する。

b.抗Parkinson病薬が著効する。

c.抗精神病薬に特異的な副作用である。

d.口の動きに注意を向けさせると増悪する。

e.片側上下肢を投げ出すような不随意運動を伴う。

正答の理由

ドパミン受容体遮断薬の長期投与後に出現した口・舌の常同的な不随意運動から遅発性ジスキネジアを考えます。一般に睡眠中は目立たなくなり消失します。薬剤性Parkinson症候群とは異なり、抗コリン作用のある抗Parkinson病薬では悪化することもあります。抗精神病薬だけでなくメトクロプラミド等のドパミン受容体遮断薬でも起こり得ます。

各選択肢の検討

a.正しい。通常、睡眠中には異常運動はみられません。

b.薬剤性Parkinson症候群への対応をそのまま当てはめられず、抗コリン薬は悪化要因になり得ます。

c.メトクロプラミド等でも起こり、抗精神病薬に特異的ではありません。

d.注意をそらした時や緊張等で増悪し得ますが、症状自体に注意を向けさせると必ず増悪するとはいえません。

e.片側上下肢を大きく投げ出す運動はヘミバリスムの特徴で、本例の典型的な説明ではありません。

覚えるポイント

長期のD2遮断薬+口舌の常同運動。薬剤性Parkinson症候群と治療を混同しない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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