乳児で身体的虐待を疑う皮膚所見|第114回医師国家試験F57

第114回医師国家試験 F57(2020年)

正答:d・e

問題

6か月の乳児。6か月児健康診査で成長障害、発達遅滞が疑われ、母親とともに受診した。意識は清明。身長66.2 cm(−0.7 SD)、体重6.0 kg(−2.0 SD)。体温36.9 ℃。心拍数118/分、整。血圧90/58 mmHg。①定頸を認める。②寝返りはかろうじてできるが、③お座りはできない。④顔面、頭部および下腿に新旧混在した皮下出血が散在し、⑤両足底に多数の円形の熱傷痕を認める。

下線部のうち虐待を疑う所見はどれか。2つ選べ。

a.①

b.②

c.③

d.④

e.⑤

正答の理由

まだ自由に歩き回らない月齢で、複数部位の反復した外傷を示唆する皮下出血や、偶発的接触では説明しにくい足底の多数の円形熱傷がみられます。これらは身体的虐待を疑う重要な所見です。凝固異常などの医学的原因も評価し、所見だけで加害者や受傷日時を断定せず、安全確保と専門的評価につなげます。

各選択肢の検討

a.誤り。定頸はこの月齢でみられる発達所見で、虐待を直接示す所見ではありません。

b.誤り。発達の経過を確認しますが、この所見だけで虐待を判断しません。

c.誤り。6か月では座位の獲得に個人差があり、独座不能だけでは虐待を示しません。

d.正しい。月齢や運動能力に不釣り合いな多発皮下出血は虐待を疑います。色調だけから正確な受傷時期を決めることはできません。

e.正しい。両足底の多数の円形熱傷は、偶発的受傷として説明しにくい所見です。

覚えるポイント

児の発達段階と合わない多発外傷、接触困難部位・器具形状の熱傷は虐待を疑う。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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