第114回医師国家試験 F50(2020年)
正答:c
問題
45歳の男性。嗄声を主訴に来院した。2年前から誘因なく嗄声が出現し、咽喉異物感と慢性的な咳が続いているという。喫煙歴と飲酒歴はない。白色光による喉頭内視鏡像(別冊No.10A、B)及び狭帯域光による喉頭内視鏡像(別冊No.10C)を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
a.下咽頭癌
b.声帯結節
c.喉頭乳頭腫
d.慢性喉頭炎
e.ポリープ様声帯



正答の理由
声帯付近に細かい乳頭状の表面を持つ隆起性病変を認め、狭帯域光では病変内に点状の血管が目立ちます。持続する嗄声と合わせて喉頭乳頭腫を考えます。乳頭腫はHPVに関連する良性病変ですが、確定には喉頭鏡での評価と必要な組織診断を行います。
画像の見方
A・Bで声帯付近に細顆粒状ないし乳頭状の隆起を認めます。Cの狭帯域光では隆起内の点状血管が明瞭です。矢印は病変を示すものではなく前交連の目印です。
各選択肢の検討
a.誤り。提示は喉頭・声帯の乳頭状病変で、下咽頭の浸潤性病変を示す像ではありません。
b.誤り。声帯結節は発声負荷に関連する声帯膜様部の対称性小結節が典型で、乳頭状増殖とは異なります。
c.正しい。乳頭状隆起と慢性嗄声が対応します。
d.誤り。単なる炎症性発赤・浮腫だけでは乳頭状腫瘤を説明できません。
e.誤り。ポリープ様声帯は声帯のびまん性・浮腫状腫脹が主体です。
覚えるポイント
慢性嗄声と声帯の乳頭状増殖は喉頭乳頭腫を考える。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。