第114回医師国家試験 F38(2020年)
正答:e
問題
5歳の男児。夜尿を主訴に父親に連れられて来院した。毎晩夜尿があり、これまでに夜間おむつがとれたことがない。日中の尿失禁はないという。尿所見:比重1.030、蛋白(−)、糖(−)、潜血(−)、沈渣は赤血球0〜1/HPF、白血球1〜4/HPF。腹部超音波検査で両側の腎と膀胱とに異常を認めない。
父親への説明として適切でないのはどれか。
a.「就寝前に完全に排尿させましょう」
b.「睡眠中の冷えから身体を守りましょう」
c.「水分は昼過ぎまでに多めに摂らせましょう」
d.「おねしょをしても叱らないようにしましょう」
e.「夜間の決めた時間に起こして排尿させましょう」
正答の理由
昼間の尿失禁や尿検査・超音波の異常がない一次性夜尿症です。生活指導では、日中に必要な水分を取り、就寝前に排尿し、本人を責めないことが基本です。保護者が毎晩決まった時刻に起こして排尿させても、長期的な夜尿の改善にはつながりにくく、通常の治療指導として勧めません。尿でセンサーが反応する夜尿アラーム療法とは区別します。
各選択肢の検討
a.適切。就寝前の排尿で膀胱内の尿を減らします。
b.本問では適切。快適な寝具や室温を整えます。ただし保温だけで夜尿が治ると説明しません。
c.適切。必要な水分は日中に取り、夕方以降への偏りを避けます。日中まで過度に水分を制限しません。
d.適切。夜尿は本人の怠けや故意ではなく、叱責は治療になりません。
e.不適切。定時に起こす方法は長期的な自立した夜間排尿調節の獲得を促すものではありません。
覚えるポイント
夜尿の生活指導は叱らず・就寝前排尿・日中の適切な水分摂取。定時覚醒は勧めない。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。