第114回医師国家試験 E36(2020年)
正答:c
問題
71歳の男性。血痰を主訴に来院した。2か月前から微熱があり、2週前から断続的に血痰の排出が続いている。かかりつけ医で糖尿病の内服加療中であるが、コントロールは良くないと言われているという。呼吸音は両側胸部にcoarse cracklesを聴取する。胸部エックス線写真(別冊No.3A)及び胸部造影CT(別冊No.3B、C)を別に示す。
次に行うべき検査はどれか。
a.FDG-PET
b.スパイロメトリ
c.喀痰抗酸菌検査
d.尿中肺炎球菌抗原検査
e.血漿EGFR遺伝子検査


正答の理由
長引く微熱と血痰、コントロール不良の糖尿病に、気道散布を疑う肺の結節・浸潤影を伴い、肺結核を優先して調べます。喀痰の抗酸菌塗抹・培養と核酸増幅検査などで評価します。画像だけでは確定できず、抗酸菌塗抹陽性だけでも結核菌と非結核性抗酸菌の区別はできません。検査と並行して適切な空気予防策を検討します。
画像の見方
胸部写真では右中上肺野と左下肺野などに斑状・網状陰影を認めます。CTでは右肺を中心に気管支周囲の小結節・分枝状陰影と浸潤影があり、縦隔条件では右肺の病変の一部に空洞様の透亮像が見えます。気道散布を伴う感染性病変を考えますが、原因菌は画像だけでは確定できません。
各選択肢の検討
a.誤り。感染でも集積するため、まず結核を疑って菌の検査を行います。
b.誤り。呼吸機能をみる検査で、血痰と感染性病変の原因を確かめる検査ではありません。
c.正しい。肺結核などの抗酸菌感染を評価します。
d.本問では選ばない。肺炎球菌肺炎の補助検査ですが、経過と画像から抗酸菌感染の評価を優先します。
e.誤り。特定の肺癌に対する分子標的治療等の判断に用いる検査で、現在の第一選択ではありません。
覚えるポイント
慢性の微熱・血痰と散布性の肺病変では、肺結核を疑い喀痰を調べる。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。