第114回医師国家試験 D61(2020年)
正答:c
問題
60歳の男性。右耳下部腫瘤を主訴に来院した。1か月前、洗顔時に気付いたが痛みはなくそのままにしていたという。右耳下腺後下部に軟らかい腫瘤を触れる。穿刺吸引細胞診で囊胞性背景に胞体が好酸性の上皮細胞集塊を認める。頸部MRI(別冊No. 27)を別に示す。99mTcO4−唾液腺シンチグラフィで病変部に集積を認める。
診断はどれか。
a.耳下腺癌
b.頸部血管腫
c.Warthin腫瘍
d.IgG4関連疾患
e.耳下腺多形腺腫

正答の理由
耳下腺後下部の無痛性腫瘤、囊胞性背景にみられる好酸性上皮細胞〈オンコサイト〉、99mTcO4−の集積はWarthin腫瘍を支持します。MRIにも囊胞性成分を伴う耳下腺腫瘤を認めます。シンチの集積だけで組織型を確定せず、細胞診・画像を合わせます。
画像の見方
T2強調の水平断・冠状断で右耳下腺後下部に境界の明瞭な腫瘤があり、内部に信号の異なる囊胞性部分と隔壁状の構造を認めます。MRIだけで組織型を確定せず、細胞診とシンチを合わせます。
各選択肢の検討
a.誤り。悪性腫瘍の可能性は評価しますが、提示された細胞像とシンチ所見の組合せにはWarthin腫瘍が合います。
b.誤り。血管性病変で、囊胞性背景の好酸性上皮細胞と唾液腺シンチ集積を説明しません。
c.正しい。囊胞成分、好酸性上皮細胞、核医学的集積が手掛かりです。
d.誤り。IgG4関連唾液腺炎は腺腫大を起こしますが、提示された限局性腫瘤と上皮細胞の所見はWarthin腫瘍を支持します。
e.誤り。耳下腺の代表的良性腫瘍ですが、通常の唾液腺シンチでは欠損を示し、提示の好酸性上皮・囊胞性背景とは異なります。
覚えるポイント
耳下腺下極の囊胞性腫瘤+好酸性上皮+99mTc集積はWarthin腫瘍の手掛かり。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。