肺切除後の空気漏れと皮下気腫|第114回医師国家試験A38

第114回医師国家試験 A38(2020年)

正答:c

問題

76歳の男性。肺癌治療のため入院中である。根治術として、右肺下葉切除およびリンパ節郭清術を施行された。胸腔ドレーンからの軽度の空気漏れが手術直後から観察されたが、胸部エックス線写真では肺の膨張に問題はなかった。術後3日目、胸腔ドレーンからは依然空気漏れを認めている。手術直後の胸部エックス線写真(別冊No.12A)及び術後3日目の胸部エックス線写真(別冊No.12B)を別に示す。

この患者で認められる所見はどれか。

a.紅斑

b.皮下血腫

c.皮下握雪感

d.表在静脈拡張

e.鎖骨上リンパ節腫脹

右肺下葉切除直後の胸部エックス線
別冊No.12A 手術直後の胸部エックス線写真(仰臥位像) / 出典:厚生労働省・第114回A別冊(原本の該当ページ)
頸部から両側胸壁の皮下に広がる空気像を示す胸部エックス線
別冊No.12B 術後3日目の胸部エックス線写真(立位像) / 出典:厚生労働省・第114回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

術後3日目の写真には胸壁・頸部の皮下に広く空気の透亮像が出現しています。胸腔内の空気が皮下へ流入した皮下気腫であり、触診で雪を握るような捻髪音・握雪感を認めます。術後の持続する空気漏れと対応する所見です。

画像の見方

術直後と比べ、術後3日目は頸部から両側胸壁にかけて皮下の線状・網状の透亮像が著明です。皮下組織の間に空気が入り込んだ皮下気腫で、触診の握雪感と対応します。

各選択肢の検討

a.皮膚の炎症等でみられる所見で、画像上の皮下の空気に対応する特徴的触診所見ではありません。

b.皮下への血液貯留です。空気の線状透亮像と握雪感を説明しません。

c.正しい。皮下組織の空気を触れると独特の握雪感を生じます。

d.静脈還流障害等でみられます。提示画像の広範な皮下の空気とは異なります。

e.悪性腫瘍等でみられますが、数日の経過で広がった皮下の空気に対応する所見ではありません。

覚えるポイント

術後空気漏れ+胸壁の線状透亮像は皮下気腫。触れると握雪感がある。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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