第114回医師国家試験 A37(2020年)
正答:d
問題
68歳の男性。上前胸部痛を主訴に来院した。2年前から両手掌に皮疹が繰り返し出現していた。1年前から上前胸部痛を自覚していたという。1か月前から上前胸部の疼痛が増悪したため受診した。両手掌に膿疱性皮疹を多数認める。両側の近位指節間関節の腫脹と圧痛を認める。両側胸鎖関節の骨性肥厚と熱感および圧痛を認める。この患者の胸部エックス線写真(別冊No.11)を別に示す。
関節病変の原因として最も考えられるのはどれか。
a.関節リウマチ
b.強直性脊椎炎
c.慢性疲労症候群
d.掌蹠膿疱症性骨関節炎
e.リウマチ性多発筋痛症

正答の理由
再発する手掌の膿疱と、胸鎖関節を中心とする前胸壁の炎症・骨性肥厚が対応しており、掌蹠膿疱症性骨関節炎を考えます。近位指節間関節にも炎症がみられますが、皮膚症状と胸鎖関節病変の組合せが診断の手掛かりです。SAPHO症候群と重なる病像があります。
画像の見方
両側の鎖骨内側端〜胸鎖関節周囲に骨性肥厚と硬化がみられます。掌の膿疱、同部の疼痛・熱感と合わせて掌蹠膿疱症性骨関節炎を支持します。
各選択肢の検討
a.近位指節間関節炎は合いますが、反復する掌蹠膿疱と胸鎖関節の骨性肥厚を一体として説明するのはdです。
b.仙腸関節炎や炎症性腰背部痛、脊椎病変が主な手掛かりです。
c.倦怠感等を主とし、膿疱に伴う胸鎖関節の客観的炎症・骨性肥厚を説明しません。
d.正しい。掌蹠膿疱症に伴い、胸鎖・胸肋関節周囲などに骨関節炎を起こします。
e.肩・骨盤帯の痛みや朝のこわばりが典型で、膿疱と骨性胸鎖関節病変は特徴的ではありません。
覚えるポイント
掌蹠膿疱症と前胸壁、とくに胸鎖関節の痛み・骨性肥厚を結び付ける。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。