第114回医師国家試験 A25(2020年)
正答:e
問題
30歳の男性。このところ仕事に身が入らず遅刻が目立つようになったため、上司からの勧めで産業医面談を受けた。面談で精神科受診を勧められ来院した。入社以来、事務職に携わってきたが、3か月前に営業職に異動した。約1か月前から平日は食欲が低下し、なんとなく元気が出なくなった。休みの前日は熟睡できるが、それ以外の日はなかなか寝つけず、一旦寝ついても職場の夢をみて夜中に目が覚めることが多くなった。欠勤はなく、休日は趣味のサーフィンを以前と変わらず楽しめているという。
初診時の対応として適切なのはどれか。
a.休職を勧める。
b.頑張るよう励ます。
c.抗うつ薬を処方する。
d.投影法の心理検査を実施する。
e.仕事に関する本人の考えを聞く。
正答の理由
配置転換後に職場と関連する不眠・食欲低下・意欲低下が出現し、適応反応を含めて評価します。まず本人が仕事や異動をどう受け止め、何に困っているかを聞き、症状、生活への影響、安全性、支援の状況を把握します。休日に楽しめることだけでうつ病を完全に否定せず、診断と重症度を検討して環境調整や治療を決めます。
各選択肢の検討
a.休職が必要なこともありますが、本人の状況・希望や症状を聞かず一律に勧める初期対応ではありません。
b.苦痛や負担の理由を聞かず励ますだけでは、追い詰めることがあります。
c.適応がある場合に検討しますが、初診で状況を評価せず薬を決めるのは適切ではありません。
d.まず必要なのは本人の具体的な困り事と症状の把握で、投影法を優先しません。
e.正しい。職場ストレスの認識と支援・調整可能性を把握し、診療方針を本人と考えます。
覚えるポイント
初診では本人の言葉で困り事と仕事への受け止めを聞き、診断・安全性・支援を評価。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。