第113回医師国家試験 F83(2019年)
正答:g
問題
広範囲熱傷受傷早期のショックにおいて想定されるのはどれか。
| 心拍出量 | 中心静脈圧 | 体血管抵抗 | |
|---|---|---|---|
| a | 上昇 | 上昇 | 上昇 |
| b | 上昇 | 上昇 | 低下 |
| c | 上昇 | 低下 | 上昇 |
| d | 上昇 | 低下 | 低下 |
| e | 低下 | 上昇 | 上昇 |
| f | 低下 | 上昇 | 低下 |
| g | 低下 | 低下 | 上昇 |
| h | 低下 | 低下 | 低下 |
正答の理由
広範囲熱傷の受傷早期には、毛細血管透過性の亢進によって血漿成分が血管外へ移動し、有効循環血液量と静脈還流が減少します。このため中心静脈圧と心拍出量が低下し、交感神経反応などによる体血管抵抗の上昇を伴います。熱傷ショックには心筋抑制や分布異常も関与しますが、本問の早期の基本的な組合せはgです。蘇生後の高拍出性の時期と区別します。 実測の中心静脈圧は輸液、人工呼吸や心機能等にも左右され、単独で循環血液量や輸液反応性を判定する指標にはしません。
各選択肢の検討
a.心拍出量・中心静脈圧とも上昇する組合せであり、早期の循環血液量減少を表していません。
b.心拍出量・中心静脈圧が上昇し体血管抵抗が低下しており、本問の受傷早期の基本像とは異なります。
c.中心静脈圧低下と体血管抵抗上昇は合いますが、心拍出量は低下します。
d.中心静脈圧低下は合いますが、早期の基本像では心拍出量は低下し、体血管抵抗は上昇します。
e.低心拍出量・高体血管抵抗は合いますが、循環血液量減少に伴う中心静脈圧低下が表現されていません。
f.心拍出量低下は合いますが、中心静脈圧上昇・体血管抵抗低下は本問の基本像とは異なります。
g.正しい。心拍出量低下、中心静脈圧低下、体血管抵抗上昇の組合せです。
h.心拍出量と中心静脈圧の低下は合いますが、代償性の体血管抵抗上昇が反映されていません。
覚えるポイント
受傷早期の熱傷ショックは循環血漿量が減少し、低前負荷・低心拍出量を来す。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第113回医師国家試験問題および正答
- Burn injury(Nature Reviews Disease Primers):受傷初期の血管漏出と熱傷ショック
- State of the Art: An Update on Adult Burn Resuscitation:熱傷ショックの病態(第3節)
- 原著:Cardiovascular and neurohumoral responses following burn injury(抄録)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。