第113回医師国家試験 E37(2019年)
正答:d
問題
4歳の男児。繰り返す嘔吐を心配した母親に連れられて来院した。1か月前から時々起床後に突然の嘔吐がみられていた。1週間前から毎日起床後に嘔吐がみられるようになり、今朝から呼びかけに対する反応がやや鈍くなったため受診した。下痢や体重の減少は認めない。嘔吐の回数が増えるにつれ、転びやすくなったとのことである。意識レベルはJCSⅠ-1。体温36.7 ℃。心拍数100/分、整。血圧80/50 mmHg。呼吸数36/分。SpO2 98 %(room air)。毛細血管再充満時間2秒未満。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。腸雑音に異常を認めない。腱反射に異常を認めない。坐位で体幹動揺を認める。指鼻試験は拙劣で、眼振と変換運動障害を認める。眼底鏡による観察で両側うっ血乳頭を認める。
次に行う検査として適切なのはどれか。
a.脳波
b.腰椎穿刺
c.血液培養
d.頭部単純CT
e.腹部単純エックス線
正答の理由
進行する起床時嘔吐、意識反応低下、うっ血乳頭は頭蓋内圧亢進を示唆します。体幹失調、指鼻試験拙劣、眼振から後頭蓋窩病変やそれに伴う水頭症を疑い、迅速な頭部画像検査が必要です。選択肢では頭部単純CTを行います。腫瘤性病変による圧亢進を疑う段階で腰椎穿刺を先行させません。
各選択肢の検討
a.発作性の意識障害等には用いますが、頭蓋内圧亢進の原因評価が先です。
b.頭蓋内圧亢進・占拠性病変が疑われ、脳ヘルニアの危険があるため先に行いません。
c.感染を疑う所見に乏しく、神経所見を説明する頭蓋内病変の評価が優先です。
d.正しい。頭蓋内腫瘤や水頭症を速やかに確認します。
e.腹部所見に乏しく、小脳徴候とうっ血乳頭を説明できません。
覚えるポイント
嘔吐+小脳徴候+うっ血乳頭は頭部画像を優先し、腰椎穿刺を避ける。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。