第113回医師国家試験 E23(2019年)
正答:a
問題
急性呼吸不全をきたした成人患者に対して、バッグバルブマスク換気の後に気管挿管を行った。用手的に送気を行い、聴診による気管チューブの位置確認を行ったところ、心窩部が膨隆してきた。装着していたCO2検出器ではCO2が検出されなかった。
適切な対応はどれか。
a.直ちに気管チューブを抜去する。
b.バルーンカフへ空気を追加注入する。
c.気管チューブへの送気を2分間継続する。
d.気管チューブを更に3 cm挿入して送気する。
e.気管チューブ内にカテーテルを挿入して吸引する。
正答の理由
挿管後に心窩部が膨隆し、呼気CO2が検出されないため、食道挿管を強く疑います。誤った位置のチューブへの送気を続けず、直ちに抜去してバッグバルブマスク等で酸素化を確保し、再評価・再挿管を行います。可能なら波形カプノグラフィで持続する呼気CO2を確認します。
各選択肢の検討
a.正しい。食道挿管が強く疑われるため抜去し、酸素化を優先します。
b.カフに空気を足しても誤った位置は修正されず、胃への送気を続ける危険があります。
c.2分間も送気を継続すると胃膨満や誤嚥、低酸素が悪化し得ます。
d.位置が疑わしい状態で更に進めても、気管内に入るとは限りません。
e.分泌物による閉塞なら吸引を考えますが、本例は食道挿管を疑う所見があり、まず位置と酸素化への対応が必要です。
覚えるポイント
挿管後のCO2未検出と胃膨満では食道挿管を疑い、疑わしいチューブに送気を続けません。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。