第113回医師国家試験 E14(2019年)
正答:b
問題
高度な門脈圧亢進を伴う肝硬変患者で認められないのはどれか。
a.下腿の浮腫
b.Rovsing徴候
c.腹壁静脈の怒張
d.Traube三角の濁音
e.濁音界の位置移動〈shifting dullness〉
正答の理由
門脈圧亢進を伴う肝硬変では腹水、脾腫、側副血行路の発達などがみられます。Rovsing徴候は左下腹部の圧迫で右下腹部痛を誘発する所見で、虫垂炎などの腹膜刺激を評価するものであり、門脈圧亢進の所見ではありません。
各選択肢の検討
a.体液貯留や低アルブミン血症等によりみられます。
b.本問の正答。虫垂炎等で評価する腹膜刺激所見で、肝硬変の代表所見とは異なります。併存する他疾患まで否定する意味ではありません。
c.門脈系の側副血行路が発達し、臍周囲等の腹壁静脈が目立つことがあります。
d.脾腫により通常は胃泡の鼓音が聞かれる領域が濁音になり得ます。ただし食後や左胸水等でも変化し、単独で脾腫を確定しません。
e.腹水が体位で移動することで濁音と鼓音の境界が変わる所見です。
覚えるポイント
肝硬変の門脈圧亢進:脾腫・腹水・側副血行路。Rovsing徴候は別の病態です。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第113回医師国家試験問題および正答
- コロンビア大学:Complications of Cirrhosis
- Stanford Medicine 25:腹水と腹壁静脈
- Stanford Medicine 25:Traube三角の打診
- ペンシルベニア大学:虫垂炎とRovsing徴候
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。