第113回医師国家試験 D58(2019年)
正答:d
問題
50歳の女性。右乳房のしこりを主訴に来院した。2年前から右乳房の2 cm大の腫瘤に気付いていたが、あまり変化がないため医療機関を受診していなかった。4か月前から増大し痛みを伴ってきたため心配になり受診した。右乳房腫瘤は長径17 cmで、弾性軟、胸壁への固定を認めない。皮膚には発赤や腫瘤の浸潤を認めない。腋窩リンパ節を触知しない。胸部CT(別冊No.25)を別に示す。
最も可能性が高いのはどれか。
a.乳腺炎
b.乳腺症
c.乳腺線維腺腫
d.乳腺葉状腫瘍
e.乳管内乳頭腫

正答の理由
中年女性の乳房腫瘤が短期間に巨大化し、CTでも境界が比較的明瞭な大きな腫瘤を認めます。提示肢では乳腺葉状腫瘍が最も考えられます。良性・境界悪性・悪性の区別は病理組織学的に行うもので、大きさやリンパ節触知の有無だけでは判定できません。
画像の見方
右乳房に胸郭外へ大きく突出する境界明瞭な腫瘤を認めます。CTだけでは葉状腫瘍の良性・境界悪性・悪性の区別はできません。
各選択肢の検討
a.通常は炎症に伴う発赤・熱感などを認め、17 cmの境界明瞭な腫瘤が主体の経過とは異なります。
b.乳房痛や硬結などを来しますが、このような巨大化する単一腫瘤の説明には合いにくいです。
c.鑑別になりますが、50歳での急速な巨大化から葉状腫瘍をより考えます。
d.正しい。急速な増大と巨大腫瘤が特徴となる線維上皮性腫瘍です。
e.乳頭分泌、特に血性分泌などで見つかることがあり、このような巨大腫瘤は典型的ではありません。
覚えるポイント
乳房の急速な巨大腫瘤では葉状腫瘍を考え、良悪性は画像だけで決めない。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。