第113回医師国家試験 D11(2019年)
正答:c
問題
多発性硬化症との鑑別上、視神経脊髄炎を疑うべき所見はどれか。
a.視力の低下
b.血清の抗核抗体陽性
c.脳脊髄液の細胞数増多
d.末梢神経伝導速度の低下
e.頭部MRIの側脳室周囲病変
正答の理由
視神経脊髄炎スペクトラム障害〈NMOSD〉では、発作時に髄液細胞数が大きく増加したり、好中球などが出現したりすることがあり、MSとの鑑別の手掛かりになります。ただし軽度の細胞増多はMSでもみられ、原文の「細胞数増多」だけでNMOSDと確定することはできません。抗AQP4抗体、症状・MRI所見などと合わせて判断します。
各選択肢の検討
a.本問では選ばない。視神経炎による視力低下は両疾患で起こりえます。
b.本問では選ばない。NMOSDでは他の自己免疫疾患や自己抗体を伴うことがありますが、抗核抗体は非特異的で、抗AQP4抗体とは異なります。
c.正しい。特に50/μLを超える明瞭な細胞増多や好中球・好酸球の出現は、MSよりNMOSDを疑う手掛かりです。単なる軽度増加だけでは鑑別できません。
d.誤り。主に末梢神経障害を示す所見で、中枢神経疾患である両者を鑑別する代表的所見ではありません。
e.本問では選ばない。側脳室周囲の典型的な脱髄病変はMSで重視します。NMOSDにも脳病変が生じるため、分布や形態を評価します。
覚えるポイント
NMOSDでは高度髄液細胞増多・顆粒球出現が手掛かり。軽度増加だけでは確定しない。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。