第113回医師国家試験 C26(2019年)
正答:e
問題
70歳の男性。労作時の呼吸困難を主訴に来院した。10年前から労作時の呼吸困難を自覚していたが、徐々に増強したため受診した。喘鳴の自覚はない。喫煙は40本/日を50年間。脈拍72/分、整。血圧128/74 mmHg。呼吸数16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。呼吸機能検査では1秒率の低下を認め、β2刺激薬の吸入で1秒率低下の改善を認めなかった。胸部エックス線写真(別冊No.2A)及び胸部CT(別冊No.2B)を別に示す。
対応として適切でないのはどれか。
a.禁煙指導
b.23価肺炎球菌ワクチン接種
c.インフルエンザワクチン接種
d.長時間作用性抗コリン薬投与
e.ロイコトリエン受容体拮抗薬投与

正答の理由
大量の喫煙歴、進行する労作時呼吸困難、気管支拡張薬後も残る閉塞性換気障害、肺気腫の画像からCOPDを考えます。禁煙、ワクチンによる感染予防、長時間作用性気管支拡張薬が重要で、ロイコトリエン受容体拮抗薬はCOPDの標準的な維持治療ではありません。
画像の見方
胸部写真では肺野の透過性亢進と過膨張がうかがわれ、CTでは両肺に低吸収域を認めます。喫煙歴と閉塞性換気障害を合わせ、気腫性COPDを考えます。
各選択肢の検討
a.適切です。喫煙を続けている患者には禁煙支援を行います。
b.2019年の本問では適切な感染予防です。現在の肺炎球菌ワクチン製剤や接種方法は年齢・接種歴・制度に応じて選び、一律に23価だけとしません。
c.COPD増悪の予防に重要で、毎年の接種を検討します。
d.適切です。LAMAはCOPDの呼吸困難を改善する維持治療の中心となる薬剤です。
e.本問の正答。主に喘息等で用いる薬剤で、気腫性COPDの通常の維持治療として選びません。喘息等の併存疾患に別の適応がある場合は区別します。
覚えるポイント
COPDの基本は禁煙、感染予防、適切な吸入気管支拡張薬です。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。