第113回医師国家試験 B18(2019年)
正答:d
問題
統合失調症を強く示唆する患者の発言はどれか。
a.「自分には霊がとりついている」
b.「(天井のしみを指さして)虫が這っている」
c.「自分は癌にかかっているので、明日には死ぬ」
d.「自分の考えることがすべて周囲の人に伝わっている」
e.「外に出ると通行人が自分を見るので、外出できない」
正答の理由
自分の考えが言葉にしなくても周囲に伝わると確信する体験は、思考伝播〈考想伝播〉に相当し、統合失調症を強く疑う症状です。ただし、一つの発言だけで診断を確定するのではなく、経過、機能低下、他の精神症状、身体疾患や薬物の影響などを評価します。
各選択肢の検討
a.憑依に関する妄想的な体験の可能性はありますが、文化的背景なども考慮し、この発言だけで統合失調症に特異的とは判断しません。
b.実在するしみを虫と捉えており、錯視を考えます。せん妄など様々な状態でもみられます。
c.心気妄想的な内容で、重いうつ病などでもみられます。単独で統合失調症に特徴的とはいえません。
d.正しい。思考が外へ漏れ、他者に伝わるという思考伝播を示します。
e.注察・関係妄想や対人場面の不安などが考えられます。統合失調症でも起こり得ますが、dのほうが特徴的です。
覚えるポイント
思考伝播は「自分の考えが他人に筒抜けになる」という体験。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。