第113回医師国家試験 A44(2019年)
正答:e
問題
81歳の男性。嚥下困難を主訴に来院した。1か月前から嚥下困難を自覚しており、2週間前から食事摂取が困難となったため受診した。前立腺癌でホルモン療法を受けている。
身長160 cm、体重56 kg。体温36.1 ℃。脈拍72/分、整。血圧136/88 mmHg。呼吸数14/分。甲状腺の腫大を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。上部消化管内視鏡像(別冊No.17)を別に示す。
考えられるのはどれか。
a.Barrett食道
b.逆流性食道炎
c.好酸球性食道炎
d.食道アカラシア
e.食道カンジダ症

正答の理由
食道全周に多発・癒合する白色ないし黄白色の付着物を認め、嚥下困難と合わせ食道カンジダ症を考えます。必要に応じて擦過や生検で真菌を確認し、全身性抗真菌薬で治療します。高齢・悪性腫瘍等の背景を評価しますが、前立腺癌ホルモン療法自体を直ちに高度免疫不全の原因と断定しません。
画像の見方
食道粘膜に多発する黄白色の厚い付着物が一部癒合しています。食道カンジダ症を疑う所見で、必要に応じ擦過・生検で菌体を確認します。
各選択肢の検討
a.下部食道の扁平上皮が円柱上皮へ置換される病態で、広範な白苔とは異なります。
b.下部食道を中心とした粘膜傷害・びらんが典型で、写真の白色付着物とは合いません。
c.輪状溝・縦走溝・白斑等を呈しますが、本例の厚い多発白苔はカンジダを優先します。白斑だけなら鑑別が必要です。
d.拡張や食物貯留と食道下端の弛緩不全が主で、この白苔を代表所見としません。
e.正しい。付着性の白苔・プラークが特徴です。
覚えるポイント
嚥下困難と食道の付着性白苔はカンジダ症を疑う。食道病変は全身性抗真菌薬で治療する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。