第113回医師国家試験 A34(2019年)
正答:b
問題
57歳の男性。ふらつきを主訴に来院した。2週間前に発作性心房細動に対し、ジソピラミドの投与を開始された。治療開始後、動悸発作の頻度は減少したが、ふらつきを時々感じたため昨日受診し、Holter心電図を装着した。本日、結果を解析した検査室から異常所見の報告が担当医に入り、担当医は患者に連絡し、受診を促し患者が来院した。
意識は清明。脈拍76/分、不整。血圧112/62 mmHg。呼吸数16/分。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経診察に異常を認めない。Holter心電図(別冊No.11)を別に示す。
現時点の対応として適切なのはどれか。
a.アトロピン投与
b.ジソピラミドの中止
c.カルディオバージョン
d.カテーテルアブレーション
e.恒久的ペースメーカの留置


正答の理由
動悸時の心房細動と、ふらつき時の長い心停止を認め、徐脈頻脈症候群を背景に抗不整脈薬で洞機能が抑制・増悪した可能性があります。まず原因となり得るジソピラミドを中止し、モニター下で評価します。来院時に持続する循環不全は示されていないため、即時のアトロピンや恒久ペースメーカを先行させません。症候性の長い停止には緊急対応の準備が必要です。
画像の見方
動悸時はRR間隔が不規則で心房細動に合います。ふらつき時は不整脈に続いてP波・QRSのない長い停止があり、症状との時間的対応が重要です。記録速度25 mm/secを保持しています。
各選択肢の検討
a.持続する症候性徐脈等で用いますが、現時点の第一対応は薬剤中止です。
b.正しい。可逆的な薬剤性要因を除き、停止が残るか再評価します。
c.現在の病態の中心は長い停止であり、単に心房細動を電気的停止させる対応を選びません。
d.心房細動治療として検討することはありますが、まず薬剤性の安全性問題に対応します。
e.原因薬中止後も症候性徐脈が続く等では検討しますが、可逆性評価より先に恒久留置とはしません。
覚えるポイント
抗不整脈薬開始後のふらつきでは催不整脈だけでなく洞停止を確認し、原因薬の中止を考える。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。