第113回医師国家試験 A23(2019年)
正答:c
問題
68歳の男性。嗄声を主訴に来院した。右声帯固定を伴う喉頭腫瘍が存在し、右頸部にリンパ節転移が認められた。生検の結果、扁平上皮癌と診断され、放射線治療、喉頭全摘術および右頸部郭清術を施行した。術後の頸部の写真(別冊No.7)を別に示す。
正しいのはどれか。
a.嗅覚障害はない。
b.発声は正常である。
c.入浴に制限がある。
d.胃瘻造設が必要である。
e.誤嚥性肺炎を起こしやすい。

正答の理由
喉頭全摘後は気道と食物の通り道が分離され、永久気管孔から呼吸します。気管孔に水が入ると直接肺へ流入するため、入浴・シャワーでは水を避け、潜水や通常の水泳を行いません。入浴そのものが一律禁止なのではなく、水の流入を防ぐ制限が必要です。
画像の見方
前頸部に永久気管孔を認めます。喉頭全摘後はこの孔が呼吸の入口となり、水が入れば直接気管・肺へ流入します。
各選択肢の検討
a.鼻への気流が減り、においを感じにくくなることがあります。嗅神経切断を意味するものではありません。
b.声帯を失うため通常の喉頭発声はできず、代用音声のリハビリテーションが必要です。
c.正しい。永久気管孔に水が入らないようにします。
d.術後の状態に応じた栄養管理は必要ですが、喉頭全摘だけで永久的な胃瘻が必須になるわけではありません。
e.通常は気道と食道が分離され誤嚥を防ぎます。瘻孔や音声プロテーゼの漏れ等の合併症とは区別します。
覚えるポイント
喉頭全摘後は「鼻・口ではなく永久気管孔で呼吸」。水や酸素投与経路に注意する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。