第113回医師国家試験 A3(2019年)
正答:b
問題
両側高度難聴に対して人工内耳埋込術を受けた患者の側頭骨の病理写真(別冊No.1)を別に示す。
人工内耳の電極先端部(矢印)が挿入されている部位はどこか。
a.前庭
b.蝸牛
c.半規管
d.内耳道
e.内リンパ囊

正答の理由
写真では蝸牛の回転による複数の腔が切断され、その内部に電極の断面が見えます。人工内耳では電極を蝸牛内に挿入し、障害された有毛細胞の働きを補う形で蝸牛神経を電気刺激します。
画像の見方
骨に囲まれた蝸牛の回転が複数の腔として見えます。矢印はいずれもその腔内にある淡褐色の電極断面を指しています。電極が挿入された腔を含む構造全体が蝸牛です。
各選択肢の検討
a.卵形囊・球形囊を含む平衡感覚の器官で、聴覚用電極の標準的な留置部位ではありません。
b.正しい。らせん状の聴覚器官であり、人工内耳電極を挿入します。
c.回転加速度を検出する平衡器官で、人工内耳電極を留置する標的ではありません。
d.顔面神経・内耳神経などが通る骨性の管であり、図の電極が入る蝸牛の腔とは異なります。
e.内リンパの調節に関わる構造で、人工内耳の電極挿入部位ではありません。
覚えるポイント
人工内耳は蝸牛内の電極で聴神経を刺激する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。