第112回医師国家試験 F66(2018年)
正答:a・c
問題
5歳の女児。発熱と両耳痛とを主訴に来院した。3日前に鼻汁と咳が出現したが、そのままにしていた。昨日から発熱と両耳痛が出現し、母親の呼びかけに対する反応が悪くなった。機嫌も悪く、食欲も低下している。意識は清明。身長105cm、体重17kg。体温39.2℃。呼吸音に異常を認めない。その他の身体所見に異常を認めない。耳介と外耳道とに異常を認めない。左鼓膜写真(別冊No.6)を別に示す。
適切な治療はどれか。2つ選べ。
a.鼓膜切開
b.耳管通気
c.抗菌薬投与
d.副鼻腔洗浄
e.副腎皮質ステロイド静注

正答の理由
上気道感染に続く高熱・両耳痛・聴こえの低下と、赤く腫れた鼓膜から急性中耳炎と考えます。重い症状と高度の鼓膜所見があり、抗菌薬を投与し、耳鼻咽喉科で鼓膜切開による排膿・排液を検討します。すべての急性中耳炎に切開や抗菌薬が必要なわけではなく、症状・年齢・鼓膜所見と安全に処置できる体制で判断します。
画像の見方
鼓膜に強い発赤と膨隆・混濁があり、正常な薄く透けた鼓膜とは異なります。高熱・耳痛と併せ、中耳の急性炎症と貯留液を考える所見です。
各選択肢の検討
a.正しい。重症度に応じ、排膿・減圧のために適応を検討します。安全に施行できる技能と設備が必要です。
b.急性化膿性炎症の本例にまず行う処置ではありません。
c.正しい。高熱など重い臨床症状と鼓膜所見を踏まえて投与します。
d.副鼻腔の処置であり、本例の中耳病変への治療ではありません。
e.急性中耳炎の標準治療として全身ステロイド静注を行うものではありません。
覚えるポイント
急性中耳炎は症状と鼓膜所見で重症度を判断。重症例では抗菌薬と鼓膜切開を検討します。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。