第112回医師国家試験 F36(2018年)
正答:c・d
問題
鉄欠乏性貧血と慢性疾患に伴う貧血との鑑別に有用なのはどれか。2つ選べ。
a.血清鉄
b.網赤血球数
c.血清フェリチン
d.総鉄結合能(TIBC)
e.平均赤血球容積(MCV)
正答の理由
鉄欠乏性貧血では貯蔵鉄が減るためフェリチンが低下し、トランスフェリンを反映する総鉄結合能は上昇しやすい。慢性炎症に伴う貧血では鉄が利用しにくくなり、フェリチンは正常〜上昇、総鉄結合能は正常〜低下を示しやすい。この組合せが鑑別に有用だが、両者の併存やフェリチンの炎症による上昇に注意する。
各選択肢の検討
a.どちらも低下し得るため、血清鉄だけでは鑑別しにくい。
b.いずれも赤血球産生が低下し、貧血に見合う増加が得られない場合があるため、単独の鑑別力は低い。
c.正しい。低値は鉄欠乏を支持し、炎症性貧血では正常〜高値を示しやすい。ただし正常高値でも併存鉄欠乏を否定できない。
d.正しい。鉄欠乏では上昇、炎症性貧血では正常〜低下という傾向が鑑別に役立つ。
e.鉄欠乏では小球性が典型だが、炎症性貧血でも小球性となり得るため、MCVだけでは十分に分けられない。
覚えるポイント
鉄欠乏はフェリチン低下・TIBC上昇が基本。炎症や併存による例外も考える。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第112回医師国家試験問題および正答
- ASH:鉄欠乏性貧血
- SABM:鉄欠乏と炎症下の鉄利用障害
- Weissら:Anemia of inflammation(Blood、炎症時のフェリチン・トランスフェリン)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。