第112回医師国家試験 F10(2018年)
正答:c
問題
初乳と比較して成乳に多く含まれるのはどれか。
a.IgA
b.補体
c.脂肪
d.リゾチーム
e.ラクトフェリン
正答の理由
公式正答は脂肪です。初乳から成乳へ移行するにつれて脂肪濃度は増え、IgAやラクトフェリンなどの濃度は一般に低下します。ただし、母乳成分は泌乳時期や採取条件で変わり、リゾチームは泌乳後期に増える研究もあります。すべての免疫成分が成乳で一律に減るとは考えません。
各選択肢の検討
a.誤り。IgA、特に分泌型IgAは初乳に高濃度に含まれ、乳児の粘膜防御に役立ちます。
b.誤り。補体成分C3・C4は初乳に高く、その後低下することが示されています。
c.正しい。初乳から成乳への移行では、一般に脂肪濃度が増加します。
d.本問では選びません。公式正答はcです。ただしリゾチーム濃度の変化は時期によって異なり、成乳の後半で初乳より高くなる研究もあるため、成乳では必ず少ないとは断定できません。
e.誤り。ラクトフェリンは初乳に多く含まれ、泌乳の経過とともに一般に濃度が低下します。
覚えるポイント
初乳と成乳の比較では脂肪の増加が基本。ただし各免疫成分の推移には時期差がある。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第112回医師国家試験問題および正答
- Severら:初乳と産後14日の母乳の栄養成分(2015年原著)
- WHO・UNICEF:BFHI研修教材・初乳と成乳
- Trégoatら:初乳・移行乳・成乳のC3/C4濃度
- Montagneら:母乳リゾチーム濃度の泌乳時期による変化
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。