第112回医師国家試験 E39(2018年)
正答:a
問題
30歳の男性。起床後の尿がコーラのような色であったことを主訴として来院した。幼少期から扁桃炎を繰り返している。7日前に咽頭痛と発熱があったが軽快した。
尿所見:暗赤色、蛋白2+、潜血3+。尿沈渣の顕微鏡写真(別冊No. 5)を別に示す。
障害されている部位として最も考えられるのはどれか。
a.糸球体
b.尿細管
c.腎盂
d.尿管
e.膀胱

正答の理由
コーラ色の尿、蛋白尿・血尿に加え、尿沈渣には赤血球を含む円柱を認める。赤血球円柱は腎内で形成され、炎症性の糸球体病変を強く示唆する。扁桃炎などの上気道感染歴も糸球体腎炎を考える背景となるが、提示情報だけでIgA腎症などの病型まで確定するものではない。
画像の見方
円柱状の基質の中に赤血球を多数認め、赤血球円柱と考えられる。糸球体からの出血を支持する所見である。
各選択肢の検討
a.正しい。蛋白尿を伴う血尿と赤血球円柱は、糸球体からの出血を強く示唆する。
b.円柱の形は尿細管内で作られるが、赤血球円柱の出血源として最も考えるのは糸球体病変である。
c.腎盂からの出血では、通常はこのような赤血球円柱を形成しない。
d.尿管結石などでは血尿を来すが、赤血球円柱は尿管からの出血を支持しない。
e.膀胱からの出血では腎内の赤血球円柱を説明できない。
覚えるポイント
赤血球円柱は糸球体性血尿を考える重要な所見である。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。