第112回医師国家試験 E31(2018年)
正答:b
問題
北米での医学会参加のため搭乗していた旅客機内でドクターコールがあり対応した。目的地の空港のスタッフに情報提供した方が良いと判断し、乗務員に伝えたところ、「所見をメモして欲しい」と依頼され記載した文面を示す。
A 78-year-old female passenger has developed swelling of her left lower leg towards the end of a long-haul flight. She does not complain of any pain at rest. She has pitting edema of her left lower leg, but no color or temperature changes are observed. Calf pain is induced on dorsiflexion of her left foot. Because she suffers from shortness of breath, the possibility of pulmonary embolism should be considered, and transfer to an appropriate hospital is advised.
原因として考えられるのはどれか。
a.Acute kidney injury
b.Deep venous thrombosis
c.Femoral neck fracture
d.Heart failure
e.Peripheral arterial disease
正答の理由
長時間の飛行後に片側の下腿に圧痕性浮腫が出現し、足関節背屈で下腿痛が誘発されている。静脈うっ滞を背景とする深部静脈血栓症が最も疑われ、息切れは肺血栓塞栓症の合併を警戒する所見である。背屈時痛だけでは診断できず、到着後に超音波などで評価する必要がある。
各選択肢の検討
a.腎障害に伴う体液貯留だけでは、飛行後の片側下腿腫脹と局所痛を説明しにくい。
b.正しい。片側の圧痕性浮腫と長時間の不動が深部静脈血栓症を支持する。息切れがあれば肺塞栓の評価も急ぐ。
c.股関節周囲の痛みや外傷、荷重困難などが中心となる。今回の下腿浮腫の経過とは合わない。
d.心不全では通常は両側性の浮腫となり、片側下腿の局所症状は静脈血栓をより疑わせる。
e.末梢動脈疾患は虚血性疼痛、冷感、色調変化、脈拍低下などが手掛かりであり、提示された圧痕性浮腫とは異なる。
覚えるポイント
長時間の不動後の片側下腿腫脹ではDVTを考え、呼吸困難があれば肺塞栓も評価する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。