第112回医師国家試験 E15(2018年)
正答:c
問題
疾患と症状の組合せで誤っているのはどれか。
| 選択肢 | 疾患 | 症状 |
|---|---|---|
| a | 心気症 | 身体的愁訴 |
| b | うつ病 | 心気妄想 |
| c | 強迫性障害 | 作為体験 |
| d | 統合失調症 | 妄想知覚 |
| e | 心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉 | 過覚醒 |
正答の理由
作為体験は、思考・感情・動作などが外部の力に操られる、させられると感じる自我の体験で、統合失調症に特徴的な精神病症状の一つです。強迫性障害の中心は、繰り返し浮かぶ望まない考えや不安と、それに対応して反復する行為です。したがってcの組合せが誤りです。強迫症でも病識の乏しい場合や他疾患の併存はあるため、個々の患者を一症状だけで診断しません。
各選択肢の検討
a.正しい組合せです。病気や身体の状態に強い懸念があり、身体的な訴えを繰り返すことがあります。現在の分類では病気不安症・身体症状症等の枠組みも用います。
b.正しい組合せです。精神病症状を伴う重症うつ病では、自分が重い病気だという心気妄想を伴うことがあります。
c.正答。誤った組合せです。強迫観念・強迫行為と、外部から操られる作為体験を区別します。
d.正しい組合せです。実際の知覚に直接、特別な妄想的意味を与える体験で、統合失調症にみられます。
e.正しい組合せです。警戒の強まり、易驚性、睡眠障害等の過覚醒・反応性の亢進を認めます。
覚えるポイント
強迫観念は反復する望まない考え、作為体験は外部から「させられる」という体験。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第112回医師国家試験問題および正答
- WHO ICD-10 2019:統合失調症F20・強迫性障害F42等
- NIMH:強迫症の強迫観念と強迫行為
- NIMH:PTSDの覚醒・反応性症状
- NCNP:うつ・不安に対するスクリーニングと支援マニュアル、11頁の心気妄想
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。