第112回医師国家試験 E2(2018年)
正答:a
問題
インシデントレポートについて正しいのはどれか。
a.患者に実害がない場合でも提出する。
b.都道府県ごとに報告様式が定められている。
c.医療事故について上司に説明するためのものである。
d.医療事故の責任の所在を明らかにすることが目的である。
e.インシデントレポートの提出件数が少ないほど医療の質が高い。
正答の理由
インシデントレポートは、実害に至らなかったヒヤリ・ハットも集め、背景にある業務や仕組みの問題を分析して再発を防ぐための報告です。個人の責任追及や上司への説明だけが目的ではありません。報告件数は実際の発生数だけでなく報告しやすさにも左右されるので、少ないことだけで質が高いとは評価できません。
各選択肢の検討
a.正しい。被害がなかった事例にも、重大事故につながる要因が含まれます。
b.誤り。通常は各医療機関の安全管理体制に応じて様式や手順を定めます。都道府県ごとの統一様式が前提ではありません。
c.誤り。上司への連絡は必要な場合がありますが、レポートの目的は組織的な分析と事故防止です。
d.誤り。原因やシステムを検討するためのもので、報告制度を個人の責任追及のための仕組みとはしません。
e.誤り。報告文化や把握漏れで件数は変わり、件数だけでは医療の質を比較できません。
覚えるポイント
実害のない事例も報告し、個人攻撃ではなく仕組みの改善へつなげる。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。