第112回医師国家試験 D65(2018年)
正答:b・e
問題
26歳の女性。会議中に突然起こった動悸を主訴に来院した。以前から同様の規則的に早く打つ動悸が年に数回あるという。気管支喘息で治療中である。
意識は清明。脈拍148/分、整。血圧104/52 mmHg。呼吸数20/分。心雑音と肺雑音とを聴取しない。心電図(別冊No.35)を別に示す。
対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
a.硝酸薬投与
b.ベラパミル投与
c.アトロピン投与
d.イソプロテレノール投与
e.Valsalva手技

正答の理由
突然発症して反復する規則正しい頻拍と狭いQRS幅から、房室結節依存性の発作性上室頻拍を考える。循環が保たれていればValsalva手技を行い、房室伝導を抑制するベラパミルも選択となる。喘息ではATP・アデノシンによる気管支攣縮に注意する。低血圧や心不全など不安定化があれば同期電気ショックを優先し、ベラパミルの適応も再評価する。
画像の見方
約150/分の規則正しい狭QRS頻拍を認める。反復・突発する動悸と合わせ発作性上室頻拍を考え、画像だけで回路の種類までは確定しない。
各選択肢の検討
a.狭心症等に用いる薬で、頻拍回路を停止する治療ではない。
b.房室結節伝導を抑え、上室頻拍の停止を図る。血圧、心機能や併用薬を確認する。
c.迷走神経の作用を抑えて心拍数を増加させるため、頻拍停止の薬ではない。
d.β刺激で心拍数・伝導を増強し、今回の頻拍に対する停止目的では用いない。
e.迷走神経反射で房室結節伝導を抑え、頻拍回路を停止させ得る。
覚えるポイント
安定した規則正しい狭QRS頻拍では迷走神経手技と房室結節抑制を考える。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。