S状結腸軸捻転の初期内視鏡整復|第112回医師国家試験D30

第112回医師国家試験 D30(2018年)

正答:d

問題

70歳の男性。激しい腹痛と腹部膨満感とを主訴に救急車で搬入された。以前からParkinson病で内服治療中であった。体温36.8 ℃。心拍数72/分、整。血圧130/70 mmHg。呼吸数16/分。

血液所見:赤血球420万、Hb 11.2 g/dL、白血球11,000、血小板20万。血液生化学所見:AST 33 U/L、ALT 25 U/L。CRP 5.8 mg/dL。腹部エックス線写真(別冊No.13)を別に示す。

まず行うべきなのはどれか。

a.イレウス管留置

b.高圧酸素療法

c.緊急開腹手術

d.内視鏡治療

e.浣腸

著しく拡張した結腸が腹部を占め、中央の壁が重なるコーヒー豆状の像
腹部エックス線写真(別冊No.13) / 出典:厚生労働省・第112回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

腹部写真で著しく拡張した結腸がコーヒー豆状の形を示し、S状結腸軸捻転を考えます。腸管虚血・穿孔・腹膜炎が疑われなければ、まず内視鏡で捻転を解除して減圧し、粘膜の血流も評価します。画像だけで虚血を完全には除外できないため診察・検査を合わせて判断し、整復失敗や壊死・穿孔があれば緊急手術を行います。再発しやすいため整復後も根治的治療を検討します。

画像の見方

著しくガスで拡張した結腸が大きなループを形成し、向かい合う壁が重なってコーヒー豆状に見えます。S状結腸軸捻転を示唆し、虚血・穿孔の有無を評価して治療を決めます。

各選択肢の検討

a.主に小腸閉塞の減圧に用います。S状結腸の捻転を直接解除する初期治療ではありません。

b.捻転による閉塞と血流障害を解除できず、最初の治療にしません。

c.虚血・穿孔・腹膜炎や内視鏡整復失敗時には必要です。本問はその兆候が示されていないため内視鏡整復を優先します。

d.正しい。合併症のないS状結腸軸捻転では内視鏡的整復・減圧をまず行います。

e.単なる便秘とみなして浣腸で対処せず、捻転を評価し適切に解除します。

覚えるポイント

S状結腸軸捻転は、虚血・穿孔がなければ内視鏡整復。失敗・壊死・穿孔では手術。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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