第112回医師国家試験 D22(2018年)
正答:e
問題
22歳の女性。右乳房のしこりを主訴に来院した。右乳房に長径約2 cmの卵形の腫瘤を触知する。腫瘤は表面平滑で弾性硬、可動性は良好で圧痛を認めない。乳頭からの分泌物を認めない。乳房超音波像(別冊No.8)を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
a.乳癌
b.乳腺症
c.Mondor病
d.乳管内乳頭腫
e.乳腺線維腺腫

正答の理由
若年女性の境界明瞭・平滑で可動性良好な無痛性腫瘤に、横長の低エコー腫瘤像を認め、乳腺線維腺腫が最も考えられます。良性を示唆する所見ですが、画像だけで全ての乳癌や葉状腫瘍を除外できるわけではありません。増大、非典型所見、臨床・画像の不一致があれば組織診等を検討します。
画像の見方
皮膚面にほぼ平行な横長の低エコー腫瘤で、輪郭は比較的明瞭です。可動性のよい卵形腫瘤という触診所見と合わせ、線維腺腫を示唆します。
各選択肢の検討
a.不整形や境界不明瞭などが典型ですが、若年や平滑な辺縁だけで完全に除外はできません。本例では線維腺腫を優先します。
b.乳房の痛みや周期的変化、びまん性の硬結・嚢胞等がみられます。本例は明瞭な充実性腫瘤です。
c.表在静脈の血栓性静脈炎で、皮下に索状物を触れる病態です。卵形の乳腺腫瘤とは異なります。
d.乳管内に発生し、血性等の乳頭分泌を契機に見つかることがあります。本例の可動性良好な充実性腫瘤では線維腺腫が適合します。
e.正しい。若年、卵形、平滑、弾性硬、可動性良好という特徴に合います。
覚えるポイント
若年女性の平滑・可動性良好な乳房腫瘤は線維腺腫を考えるが、増大・非典型像は精査する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。