第112回医師国家試験 C36(2018年)
正答:b
問題
44歳の男性。消化管検査のため1日絶食が必要になり、末梢静脈から1,500 mL/日の輸液を行うことになった。耐糖能異常と電解質異常はない。身長167 cm、体重61 kg。Na+は成人推奨量を、K+は平均的な経口摂取量の半分程度を入れたい。アミノ酸や脂肪乳剤の投与は行わない。輸液の既製市販品の組成を示す。
| 輸液の名称 | Na+(mEq/L) | K+(mEq/L) | ブドウ糖(g/dL) |
|---|---|---|---|
| A液 | 30 | 20 | 20 |
| B液 | 84 | 20 | 3.2 |
| C液 | 35 | 20 | 4.3 |
1
日
分
の
輸
液
と
し
て
適
切
な
の
は
ど
れ
か
。
a.A液1,500 mL
b.B液1,500 mL
c.C液1,500 mL
d.乳酸リンゲル液1,500 mL
e.5 %ブドウ糖液500 mLと生理食塩液1,000 mL
正答の理由
公式正答はB液1,500 mLです。B液の1日量はNa+ 84×1.5=126 mEq、K+ 20×1.5=30 mEq、ブドウ糖3.2×15=48 gです。本問ではこのNa量と、経口摂取量の約半分としてのK量を選ばせています。ただし原文の「成人推奨量」を、現在の成人全例に必要な輸液量と解釈しないでください。食塩摂取の目標量は最低必要量とは異なり、現在の維持輸液では体重、腎機能、尿量、喪失量等に応じて個別に処方します。例えばNICEは単純な維持輸液の初期目安をNa・K・Cl各約1 mmol/kg/日としています。
各選択肢の検討
a.Na+ 45 mEq、K+ 30 mEq、ブドウ糖300 gです。設問が想定するNa量に届かず、20 %の高濃度糖液を含むため末梢投与にも注意が必要です。
b.公式正答。Na+ 126 mEq、K+ 30 mEq、ブドウ糖48 gになります。濃度に投与量1.5 Lを掛けて電解質量を求めます。
c.Na+ 52.5 mEq、K+ 30 mEq、ブドウ糖64.5 gです。K量はB液と同じですが、本問が想定するNa量より少なくなります。
d.一般的な乳酸リンゲル液ではNa+約195 mEq、K+約6 mEqとなり、K補給量が少なく、糖質も含みません。
e.Na+約154 mEqですがK+は含まれません。ブドウ糖は25 gで、設問のK補給条件を満たしません。
覚えるポイント
電解質量=mEq/L×投与L数。糖量=g/dL×投与dL数。食塩の摂取目標と輸液必要量は区別する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。