第112回医師国家試験 A70(2018年)
正答:b・d
問題
54歳の女性。7時間前から心窩部痛を自覚したため救急外来を受診した。
意識は清明。体温38.5℃。脈拍80/分、整。血圧154/94 mmHg。腹部は平坦で、右季肋部に圧痛を認める。
血液所見:赤血球433万、Hb 14.0 g/dL、Ht 42%、白血球12,400、血小板17万。
血液生化学所見:アルブミン4.5 g/dL、AST 24 U/L、ALT 18 U/L、LD 161 U/L(基準176〜353)、ALP 350 U/L(基準115〜359)、γ-GTP 94 U/L(基準8〜50)、尿素窒素21 mg/dL、クレアチニン0.7 mg/dL。CRP 13 mg/dL。腹部造影CT(別冊No.35)を別に示す。
この患者に対する処置として適切なのはどれか。2つ選べ。
a.結腸切除術
b.胆囊摘出術
c.イレウス管留置
d.経皮経肝胆囊ドレナージ術
e.内視鏡的乳頭括約筋切開術

正答の理由
発熱、右季肋部圧痛、炎症反応上昇に加え、胆囊内結石と胆囊壁・周囲の炎症性変化を認め、急性結石性胆囊炎を考えます。提示肢で適切なのは胆囊摘出術と経皮経肝胆囊ドレナージです。ただし両方を全例に同時施行する意味ではありません。手術可能なら早期胆摘を基本とし、手術困難・全身状態不良等の条件に応じて先行ドレナージを選びます。
画像の見方
胆囊が腫大し、壁肥厚と周囲脂肪織の濃度上昇を認めます。胆囊頸部側に高吸収の結石を認め、症状・炎症反応と合わせ急性胆囊炎を支持します。
各選択肢の検討
a.結腸を切除する病変は示されていません。
b.正しい。原因となる胆囊病変に対する根治的治療です。
c.腸閉塞が主病態ではありません。
d.正しい。病態と手術適応に応じて感染胆汁を排液する治療です。
e.総胆管結石や乳頭部閉塞が示されておらず、まず必要な処置とはいえません。
覚えるポイント
急性胆囊炎は手術可能なら早期胆摘、困難例等ではドレナージを検討。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。