高齢者高血圧の家庭血圧と投薬継続|第112回医師国家試験A61

第112回医師国家試験 A61(2018年)

正答:c

問題

83歳の男性。高血圧症のために定期的に受診している。10年前に高血圧症と診断され、カルシウム拮抗薬とアンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬とを内服している。介護保険では要支援2の判定を受けており、週2回デイサービスに通っている。服薬アドヒアランスは良好であり、めまい、ふらつきなどの症状はない。

身長162 cm、体重53 kg。脈拍72/分、整。診察室で測定した血圧144/74 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。下肢に浮腫を認めない。患者が記録した最近2週間の家庭血圧(別冊No.29)を別に示す。

この患者に対する対応で適切なのはどれか。

a.利尿薬の追加

b.β遮断薬の追加

c.現在の投薬内容を継続

d.カルシウム拮抗薬の減量

e.アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬の増量

2週間の朝夜家庭血圧記録
別冊No.29 / 出典:厚生労働省・第112回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

家庭血圧は概ね収縮期120〜140 mmHg台、拡張期60〜80 mmHg台で推移し、明らかな低血圧症状や治療強化を急ぐ所見はありません。83歳で要支援2という背景も踏まえ、本問の公式正答は現在の投薬継続です。ただしJSH2025では忍容性のある高齢者でも原則として診察室130/80 mmHg未満、家庭125/75 mmHg未満を目指す方向に変わっています。この記録が現在の一律目標を達成しているという意味ではなく、身体・認知機能、起立時血圧、副作用などを確認して個別に再評価します。

画像の見方

朝の血圧は130〜145/63〜82 mmHg、夜は122〜138/69〜81 mmHg程度で推移し、大きな日間変動や著明な低血圧はありません。

各選択肢の検討

a.明らかな体液過剰や治療強化を急ぐ所見はなく、利尿薬を追加する肢を選びません。

b.心不全・頻脈等の追加適応が示されておらず、安易に追加しません。

c.正しい。本問では現治療を続け、家庭血圧と全身状態を確認します。

d.めまい等の症状もなく、減量を必要とする明らかな低血圧は示されていません。

e.本問の設定では増量をまず選びません。現在の厳格な目標を考慮する場合も、機能や忍容性を評価して慎重に判断します。

覚えるポイント

家庭血圧と高齢者の機能・忍容性を合わせて判断。出題当時と現在の目標を区別する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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