第112回医師国家試験 A24(2018年)
正答:d
問題
69歳の男性。全身倦怠感と食欲不振とを主訴に来院した。2年前に進行胃癌のため胃全摘術を受けた。その後受診をしなかったが、3か月前から倦怠感を自覚し、最近食欲不振が増強して食事摂取量が平常時の1/3 以下となったため、不安になり受診した。
身長170 cm、体重45 kg。体温36.2 ℃。脈拍80/分、整。血圧130/70 mmHg。呼吸数14/分。胸部エックス線写真で多発肺転移を認め、腹部CT及び超音波検査で多発肝転移と軽度の腹水貯留とを認めた。悪心、嘔吐、呼吸困難および疼痛を認めず、患者と家族は在宅医療を希望している。
今後の方針として適切なのはどれか。
a.外科的切除
b.抗癌化学療法
c.在宅酸素療法
d.在宅静脈栄養
e.ホスピス入院
正答の理由
広範な再発・転移があり、食事量が著しく減少していますが、患者・家族は在宅療養を希望しています。公式正答は在宅静脈栄養で、在宅での栄養支援を考える設問です。ただし、食事量低下や癌悪液質だけで静脈栄養を一律に導入しません。経口・経腸での摂取可能性、予後、期待される生活の質、輸液負担や感染リスクを評価し、本人と相談して適応を決めます。
各選択肢の検討
a.多発肺・肝転移を伴い、根治的切除の対象とする情報ではありません。
b.病勢・全身状態・本人の希望を評価して判断するもので、この情報のみで一律に開始する方針ではありません。
c.呼吸困難や低酸素血症が示されていません。
d.公式正答。在宅の希望と栄養不足を踏まえる支援ですが、利益・負担と経口/経腸の代替を検討して導入します。
e.患者・家族の在宅希望に反し、症状のため入院が不可避という情報もありません。
覚えるポイント
在宅栄養は希望・経口経腸摂取・予後・利益と負担を合わせて判断。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。