第111回医師国家試験 I74(2017年)
正答:a・d
問題
35歳の初産婦。妊娠33週3日に胎動減少と規則的な下腹部痛とを主訴に来院した。これまでの妊婦健康診査では特に異常を認めなかった。
超音波検査で胎児推定体重は1,988g、羊水ポケット1cm、胎盤は子宮前壁に付着し、臍帯は胎盤辺縁に付着している。臍帯頸部巻絡を1回認める。内診所見で子宮口は6cm開大、未破水である。陣痛発来と診断された。このときの胎児心拍数陣痛図(別冊No.24)を別に示す。
正しいのはどれか。**2つ選べ。**
a.羊水過少症である。
b.胎児頻脈を認める。
c.胎児発育不全である。
d.臍帯血流障害が疑われる。
e.基線細変動は減少している。

正答の理由
羊水ポケット1cmは羊水過少に合います。胎児心拍数は基線がおよそ140〜150/分で、基線細変動を保ちながら急速に低下・回復する徐脈が反復しており、臍帯圧迫による血流障害を疑います。羊水過少は圧迫を受けやすくします。ただし頸部巻絡1回という所見だけで病的な圧迫を確定するものではありません。
画像の見方
基線はおよそ140〜150/分で細変動を保ち、急速に低下・回復する徐脈を反復する。
各選択肢の検討
a.正しい。最大羊水ポケットが2cm未満であり、羊水過少の判断に合います。
b.誤り。基線が持続的に160/分を超える頻脈ではありません。
c.誤り。妊娠33週3日で推定1,988gという情報は発育不全を示しません。診断は週数別の発育曲線などと併せて行います。
d.正しい。反復する急速な徐脈から臍帯圧迫に伴う血流障害が疑われます。
e.誤り。基線付近には細かな変動が保たれ、細変動減少を主所見とする波形ではありません。
覚えるポイント
羊水過少と反復する変動一過性徐脈から臍帯圧迫を疑う。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。