第111回医師国家試験 I73(2017年)
正答:c・d
問題
26歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。1週間前に咽頭痛、鼻汁および微熱が出現した。その後解熱したが本日の午前2時ごろから呼吸困難が著明となったため午前4時に救急外来を受診した。小児期に気管支喘息と診断されたが中学生時に寛解している。
呼吸困難はみられるが会話はかろうじて可能である。SpO₂ 89%(room air)。両側の胸部全体にwheezesを聴取する。酸素投与を開始し、末梢静脈路を確保した。
直ちに行うべき治療はどれか。**2つ選べ。**
a.抗菌薬点滴静注
b.副腎皮質ステロイド吸入
c.アミノフィリン点滴静注
d.短時間作用性β₂刺激薬吸入
e.ロイコトリエン受容体拮抗薬内服
正答の理由
低酸素血症、会話困難、広範なwheezesを伴う喘息増悪です。公式正答はc・dで、2017年の出題では気管支拡張薬であるアミノフィリン静注と短時間作用性β₂刺激薬〈SABA〉吸入を選ばせています。ただしGINA 2026は、有効性と安全性から喘息増悪へのアミノフィリン・テオフィリン静注を推奨していません。現在は酸素、反復SABA吸入、早期の全身性ステロイドを基本とし、重症度・反応によりイプラトロピウムやMg静注などを検討します。
各選択肢の検討
a.誤り。細菌感染を示す所見がなければ喘息発作に抗菌薬を一律投与しません。
b.誤り。吸入ステロイドは長期管理・再発予防に重要ですが、この重症増悪で早期の全身性ステロイドを置き換える選択肢ではありません。
c.出題上正しい。公式正答ですが、現在のGINAでは安全性・有効性の理由から静注は非推奨です。
d.正しい。速やかな気管支拡張のため吸入を開始・反復します。
e.誤り。長期管理の選択肢であり、この重症発作への即効性の救急治療にはなりません。
覚えるポイント
公式正答c・dを確認しつつ、現行の喘息増悪管理ではIVアミノフィリンを標準治療にしない。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。