肺結核が疑われる患者の空気感染対策|第111回医師国家試験I70

第111回医師国家試験 I70(2017年)

正答:e

問題

24歳の女性。長引く咳を主訴に来院した。3か月前から咳と痰とが出現していたがそのままにしていた。1か月前から症状が悪化し微熱を伴うようになってきた。

身長156cm、体重48kg。体温37.6℃。脈拍80/分、整。血圧120/74mmHg。呼吸数20/分。胸部の聴診でcoarse cracklesを聴取する。喀痰塗抹Ziehl-Neelsen染色陽性。胸部エックス線写真で両側上肺野に異常陰影を認める。

現時点の対応として適切なのはどれか。

a.保健所へ届ける。

b.特定機能病院に紹介する。

c.抗菌薬による治療を開始する。

d.同居者や密接接触者の健康診断を行う。

e.患者にマスクを着用させて個室に誘導する。

正答の理由

長引く咳、微熱、上肺野の陰影、抗酸菌塗抹陽性から感染性肺結核を強く疑います。まず患者にサージカルマスクを着けてもらい、個室へ誘導して曝露を減らします。可能なら陰圧個室とし、医療者はN95等を使用します。抗酸菌塗抹だけでは結核菌と非結核性抗酸菌を区別できず、核酸増幅検査・培養等を並行して進めます。

各選択肢の検討

a.誤り。結核と診断した場合の届出は必要ですが、まずその場で感染拡大を防ぐ対応を優先します。

b.誤り。特定機能病院という施設区分ではなく、適切な隔離・結核診療が可能な施設かどうかが重要です。

c.誤り。適切な抗結核治療は重要ですが、患者を共用空間に置いたまま感染対策を後回しにしません。

d.誤り。接触者調査・健診は必要に応じて保健所と進めますが、この時点の最優先ではありません。

e.正しい。患者のマスクと分離を直ちに行います。

覚えるポイント

肺結核疑いでは、確定検査と並行して患者のマスク・個室・医療者の呼吸用保護具を徹底する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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