第111回医師国家試験 I68(2017年)
正答:a
問題
12歳の男児。脱力発作を主訴に母親に連れられて来院した。2年前からハーモニカを吹いたときや熱いラーメンを食べたときに右または左手足の脱力が出現し、数分で改善するという発作が出現していた。最近は発作の頻度が増加しており月に2回程度みられるという。本日も体育の授業中に右手足の脱力と構音障害とが出現し、数分後に回復したが、心配した母親に連れられて受診した。
意識は清明。体温36.2℃。脈拍88/分、整。血圧118/72mmHg。呼吸数18/分。神経学的所見、血液生化学所見、心電図および胸部エックス線写真に異常を認めない。頭部MRIのT1強調像(別冊No.21A)と左右の内頸動脈造影正面像(別冊No.21B)とを別に示す。
治療方針として適切なのはどれか。
a.血行再建術
b.腫瘍摘出術
c.動脈塞栓術
d.血栓溶解療法
e.ステント留置術

正答の理由
過換気を伴う管楽器演奏、熱い麺を吹いて食べる行為や運動で一過性の脱力が誘発され、脳血流予備能の低下が疑われます。血管造影では両側内頸動脈終末部の狭窄・閉塞と基底部の異常血管網を認め、もやもや病に合います。反復する虚血発作に対して血行再建術を検討します。
画像の見方
両側内頸動脈終末部の狭窄・閉塞と基底部の細かな異常血管網を認める。
各選択肢の検討
a.正しい。直接・間接または併用の血行再建によって脳血流を改善します。
b.誤り。画像・発作の誘因は腫瘍性病変を示していません。
c.誤り。虚血脳に血液を届ける必要があり、動脈塞栓が治療の中心ではありません。
d.誤り。既に回復した反復性TIAに対する治療ではありません。もやもや病の超急性期脳梗塞での血栓溶解は別途慎重な検討が必要です。
e.誤り。もやもや病の慢性的狭窄病変に対する標準的な血行再建法ではありません。
覚えるポイント
過換気誘発のTIAともやもや血管は、脳血流を増やす治療につなげる。
関連する画像診断の解説
もやもや病のMRI・MRA画像診断(画像診断まとめ)で、画像所見と症例を確認できます。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。